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VOICE magabon interview

No.245 松山ケンイチ(俳優)

せっかくの人生だから楽しむべきだし、
何か好きなものを見つけてやっていった方がいい

2011年12月に急逝した森田芳光監督の遺作にして、最後のオリジナル映画「僕達急行 -A列車で行こう-」が公開。本作で、瑛太とともに主演を務めた松山ケンイチにインタビュー!
鉄道マニアの小町圭(松山)と小玉健太(瑛太)が、不器用ながらも仕事や恋に奮闘していく姿を、森田ワールドならではの独特のテンポ感で、ユーモラスな視点から描き出す本作。森田監督は、彼らを通して、今を生きる等身大の若者をいきいきとスクリーンに焼き付けている。森田監督にとっての本作は、10数年間温めた企画をようやく映画化できたという、思い入れの深い作品となった。また、本作は同名小説でノベライズ化もされ、小説でも小町と小玉のコミカルなやり取りが楽しめる。
松山は、「サウスバウンド」(07)「椿三十郎」(07)に続いて3作目の森田組となったが、今回も森田監督から多くのことを吸収できたそう。インタビューでは、森田監督ならではのユニークな演出法や、監督との思い出について、溢れる思いを語ってくれた。

松山ケンイチ

――森田組に参加するのは3作目ですが、オリジナル作品は今回が初ですね。
「すごく貴重な経験でしたし、嬉しかったですね。森田監督は、原作ものとオリジナルを織り混ぜて、いろんなジャンルの映画をほぼ毎年撮っていました。そういうふうに撮れている人って森田監督しかいないんじゃないかと思うくらいです。僕が出演した『椿三十郎』はリメイクで、『サウスバウンド』も原作があったので、今回、オリジナル作品を演じられて良かったと思います」

――森田組の一番の魅力はどんな点ですか?
「3作ともそうでしたが、森田組は面白いんです。現場に来るのがすごく楽しみで、遊んでいるんだけど仕事をしている、みたいな感覚がありました。そういう空気感は作品にも出ていましたね。小町を見ても、こういう生き方っていいなと思うし、登場人物のみなさんが前向きで、本当に人生を楽しんでいるように感じました。それは森田監督自身がそうだったからだと思うし、そういうことを監督から学びました。せっかくの人生だから楽しむべきだし、何か好きなものを見つけてやっていった方がいいなって思いました」

――コメディも得意としていた森田監督ですが、笑いの演出についてはいかがでしたか?
「最初にみんなで本読みをするんですが、そこで全部、森田監督に読んでもらっていました。台詞の言い方や、間とかにこだわりを持ってらっしゃるので。実際、森田監督の演じる小町は面白くて、それに追いつくのがすごく大変だなって思いました。それぞれのシーンでそれぞれの演出をされるんです。監督からは『笑わせようとするお芝居が一番寒いからやめてくれ』って言われていたので、もちろんそういうふうに狙ってはいないんですが、現場ではついていくのに必死でした。僕は、コメディとか笑いのことはまだまだ分からないのですが、森田監督からは発想の転換というか、セリフはそのまま言うんじゃないってことを学びました」

――現場で森田監督から要求されるものは難易度が高かったですか?
「高かったし、分からない部分もたくさんありました。自分もアイデアを出そうと思っても、やっぱり監督のアイデアが面白すぎるので、自分からは全然出せなかったです。もうちょっとアイデアを出して、対等に話し合える関係でできたらいいなとは思っていました。まだ自分には力が足りない気がしたので。森田監督って、はるか上のところにいる方なんだなって思いました」

――瑛太さんの印象はいかがでしたか?
「柔らかい雰囲気を持った方なので、そういうものが小玉から出ているし、柔らかさがあったからこそ、良い距離感になったのかなという感じはしました。僕達のキャスティングについて監督から直接聞いてはいないんですが、監督のインタビューとかを読むと『二人とも真面目だから』ってあって。ああ、そうか、真面目かあと。自分では真面目なのか単純なのかは分からないですが、もっと複雑な人間になりたいなとは思いました(苦笑)」



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