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VOICE magabon interview

No.251 水谷豊(俳優)

「人って何なんだろう」という興味が尽きないから、この仕事を続けていられるんです

「明日の記憶」など家族小説の名手・荻原浩。彼が2007年に朝日新聞上で連載し、直木賞候補にまで挙がった「愛しの座敷わらし」が「HOME 愛しの座敷わらし」となって映画化。主演の水谷豊をはじめ、人気TVドラマシリーズ「相棒」のスタッフが集結して描くハートフルな家族再生の物語だ。
父親の転勤で東京から岩手県・遠野市に引っ越した高橋一家だったが、家族は慣れない田舎生活にギクシャクするばかり。ある日、家族の元にひょっこり現れた座敷わらし。一家は座敷わらしとの出会いをきっかけに、本当に大切なものの存在に気づいていく…。
念願のホームドラマの主演を務めた水谷が、家族のために奮闘する“普通の父親”をユーモラスに、真心をこめて演じている。愛さずにはいられないキャラクターを構築する手腕はさすがの一言! また、安田成美が頼もしく、爽やかな母親役に扮して夫をしっかりと支える。家族のリアルな悩み、相手を思いやる気持ちに、ホッと笑顔になって、誰もが共感できるあたたかな作品に仕上がった。そこで水谷に単独インタビューを敢行し、俳優業への思いから、映画の見どころなどを語ってもらった。

水谷豊

――原作を読んだ感想を教えてください。
「一人ひとりが問題を抱えている家族の話で、色々と事件が起きるわけです。でも、家族皆で理想を手に入れていく姿がしっかりと描かれていて、その世界観がとても良かったですね。僕は日々、犯人を捕まえていますが(笑)、人の原点は家族にあるという思いがありますから、ぜひホームドラマをやってみたかったんです」

――演じた父親・晃一役にはどんな印象を持ちましたか?
「奥さんがいて、子どもがいて、おばあちゃんがいて…という普通のお父さんの役は、僕にとって初めて。ですが、やはり晃一は僕にとって、身近な存在でした。よく分かるんです、あのお父さんの感じ(笑)」

――演じる上で大事にした点はありますか。
「特に役作りしようと構えなくても、自然に晃一になるだろうなと思ってました。『こういう会社にいて、こういう家族がいて、こんなことが起きたらどうするだろうなぁ』って考えながらね。僕は役柄を演じる時には、『自分だったらどうするだろう』って考えるのが基本。そのイメージの連続で役柄を作るわけです」

――晃一の丁寧なお辞儀が面白かったです! 仕草や話し方など、常に印象に残るキャラクターを作り上げる秘訣は?
「あはは! 自分では分からないんだけど、『これしかない!』って思うんですよ(笑)。原作者の萩原さんがね、試写にいらして、最後に別れる時に『じゃあ!』って言って、晃一と同じ頭の下げ方をして帰ったんですよ。原作者が気に入ってくれたんだと、うれしくなりましたね。不思議と出てくるんですよね、ああいう仕草が。でも、今までにあんなに腕を伸ばして頭を下げたことはない、初めてですよ(笑)」

――「相棒」のスタッフが集った本作。スタッフのチームワークはどうでしたか?
「『相棒』と本作の世界は違いますが、現場の空気は一緒。言葉にしなくても分かり合える関係が、最初からありました。信頼関係を特に感じた瞬間は、晃一が自転車で家の周りを駆け抜けるシーン。遠野市の自然はもちろん素晴らしいのですが、夏に撮影したので、それ以外の季節のシーンを撮る時に合わなくなってしまう。そこで、美術スタッフがすみずみまで、それぞれの季節に合う草木を用意したんです。つくづく僕はすごいスタッフと仕事をしていると感動しました。現場のことは全てお任せして、僕たちは家族としてただそこにいるだけで良かったわけです」



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