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VOICE magabon interview

No.270 北野武(映画監督・俳優・お笑いタレント)&三浦友和(俳優)

本当はシリアスな映画を撮りながら、パロディ版も一緒に撮りたい(北野)
非常に爽快感がある役柄だったし、そういう現場でした(三浦)

2010年に大ヒットを記録したバイオレンス・エンターテインメント映画「アウトレイジ」の続編「アウトレイジ ビヨンド」で、監督・主演を務めた北野武と、シリーズ2作に出演した三浦友和にインタビュー。
ヤクザの凄まじい下克上劇を描く「アウトレイジ」シリーズ。続編では、前作で死んだと思われていた大友(ビートたけし)が実は生きており、新たな闘争に巻き込まれていく。抗争は激化し関東VS関西、そして警察もヤクザ壊滅へという巨大な三つ巴の争いへとヒートアップ! 三浦は山王会会長という頂点に上り詰めた加藤役を演じた。
今回も、揃いに揃った強面のワルたちが、火花を散らす。ビートたけし、三浦友和、西田敏行、加瀬亮、中野英雄、松重豊、小日向文世、高橋克典、桐谷健太、新井浩文、塩見三省、中尾彬、神山繁と豪華スターたちの競演が見ものだ。
インタビューでは、北野節が炸裂、三浦は終始穏やかな表情で、北野組への思い入れを語った。

北野武&三浦友和

――本作の構想時期はいつ頃でしたか?
北野武監督(以下K)「前作の『アウトレイジ』の撮影が終わろうとしている時に、スタッフと『もし続編を作るとしたらどうなるか』って話が出て、『大友が生きているのはどうだろうか』ってなって、その後にすぐにプロットはできたんだ。『アウトレイジ』は久しぶりのヤクザ映画で、バイオレンス描写だけがやけに注目されたから、本作ではストーリーが面白いって言われるようにかなり工夫した」

――三浦さんは、山王会の頂点に上り詰めた加藤会長役はいかがでしたか?
三浦友和(以下M)「きついなと思いました。上がったら落ちるに決まってるじゃないですか。会長になったら、その上はないですから。それは台本をいただく前にわかりました」

――三浦さんは、加藤のようなワルを演じてみて、いかがでしたか?
M「何も背負っていない男ってところが良かったです。ひとりひとりの背景がないから、女房子供がいるかいないかってことは、出演者全員わからない。そういう部分で、相手を邪魔だからと殺しても、別に罪の意識も何もなくて。言葉乱暴にののしっても、後ろめたさがあるわけじゃない。ですから、非常に爽快感がある役柄だったし、そういう現場でした」

――「アウトレイジ」シリーズは、北野監督が撮りたい映画ではなく、観客のことを考えて撮ったそうですが、それはどういう点ですか?
K「今のテレビを観ていると、お笑い番組でもテロップをやたらと出している。あれは耳の不自由な人向けにやってんのかなと思ったらそうじゃなくて、普通の人たちがそれを見て笑ってるという妙な状態になっている。ああ、そこまで丁寧に字を見せないとダメなのかなって思った。俺の映画は、映像を観て想像してくれって感じが多かったんだけど、観客の想像力に頼るようなわがままな映画の作り方はちょっとまずいのかなって」

――本作は台詞が多いですが、その辺を意識して脚本を書かれたのですか?
K「そうだよ。たとえば『俺はお前が嫌いなんだ』『お前、殺すぞ』という台詞をちゃんと言わなければいけない。エンターテインメントは、これくらい丁寧に撮ってやらないと、一方的になりすぎて、分かってもらえないのかなって思うよね」

――それに合わせて撮り方も変えられていたんですね。
K「基本的には作る料理が違うというか、イタリアンのシェフがカツ丼を作るようなものだよ。でもカツ丼ばかり作っていてもなんだから、たまにはフレンチやそばもやりたいってあるじゃない。ただ俺は今の時代に敢えてヤクザ映画をやりたい。でも『北野武は男と女のラブストーリーは撮れない』って言われると、じゃあ撮ろうかなって思ったりもする。今、作戦を練っているんだけどね」



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