現在位置は
です

本文です

VOICE magabon interview

No.62 川上未映子(作家・歌手・女優)

川上未映子
撮影/石倉和夫

――本作ではシアタープロダクツデザインの看護婦の衣装がお似合いでした。「FRaU」「装苑」などのファッション誌でも素敵な衣装で登場していますが、普段の服装は?
「私は決してお洒落ではないので、一枚で済むような服が好きですね。特に、パフスリーブが大好きで、服を買う時は肩の形にしか目がいかないくらい(笑)。あと、今年の秋冬もリボンが流行っていますが、私は筋金入りの“リボニスト”なんです。とにかく普段のファッションは、リボンをどう使うかをポイントに考えています」

――では、映画出演を通して得たものは?
「小説は呼吸が大事だと思っていたので、これまでは冒頭から時系列に沿って書いていたんです。でも映画には香盤表というスケジュール表があって、シーンが似ているところから撮影するんですよね。そのことを知ったとき、小説でも自分の得意なところから書いていいんだと気づきました。新作『ヘヴン』でも、この書き方を部分的に利用しています」

――新作の話が出ましたが、「ヘヴン」の見所を教えてください。
「読後にどう思ってもらえるか意識した作品です。年齢に関係なく、一人でも多くの方に読んでいただきたいと思っています」

――色んな作品の執筆を並行して行っていますが、締め切りは守る方ですか?
「締め切りには、余裕のある“嘘の締め切り”と、ここがデッドラインという“本当の締め切り”があって、“本当の締め切り”の直前になると筆が捗るんですよ。ですから、これまでに原稿を落としたことが一度もないんです。原稿を書くうえで“本当の締め切り”を何よりも大事にしているせいか、いつもギリギリになってしまいますね。つい先日も、9時半までに送ってくれと編集部から言われていた原稿を、メールで送信したのが9時29分45秒(笑)。いつか、締め切りがなくても書けるようになりたいです」

――最後に、もしも川上さんが雑誌の編集長になったら、どんな雑誌を創りますか?
「私のデビュー作も掲載された『早稲田文学』以上にニッチな純文学雑誌になると思います。あまりにもニッチすぎて、誰にも求められないと思います(笑)。例えば、雑誌でカレーの特集をするにしても、子供用の甘口カレーから、大人向けの辛口も提案しているものですよね。でも私が創りたい雑誌は、『本当のカレーはこれだ!』と強い自己主張をして、口に入れるだけで危険というものにしたいんです。誰の何も満たさないけど、純文学を貫き通す雑誌が創れたらいいですね」

パンドラの匣
(c)2009「パンドラの匣」製作委員会

パンドラの匣
2009年10月10日(土)より
テアトル新宿他全国ロードショー
公式サイト



VOICE バックナンバー

現在位置は
です