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VOICE magabon interview

No.69 松田美由紀(女優・写真家・プロデューサー)

私は優作の一番弟子だと思っています。
いわば、この映画を作るということが、私のメッセージなんです。

生涯を通じ表現者であり続け、40歳という若さでこの世を去った俳優、松田優作。公私共に男気に溢れ情に厚く、その勇敢な人間性と卓越した演技力から、最も重要な映画俳優の一人と評価されている。
彼の生誕60年、没20年を迎える2009年を期に、最初で最後の公式ドキュメンタリー映画「SOUL RED 松田優作」が誕生。松田優作の生き様や軌跡が綴られるだけでなく、肉声インタビューや未公開映像など、優作の魂に触れられる貴重な記録が満載。また、彼から多大な影響を受けた浅野忠信、香川照之、宮藤官九郎、仲村トオル、アンディ・ガルシアら国内外の映画人によるインタビューなどを通じ、時代の寵児であり唯一無二の存在である人間・松田優作像、彼の魂“SOUL RED”が浮き彫りにされる。
本作のエグゼクティブ・プロデューサーを務めるのは、松田優作の妻であり女優の松田美由紀。フリーペーパー「R」の編集長も経験し、最近では写真家としても活躍する彼女に単独インタビューを敢行し、松田優作の魅力をはじめ、雑誌界の現状を語ってもらう。

松田美由紀

――本作を撮ろうと思ったきっかけは?
「以前、優作の全仕事を収めたアートディレクション作品『松田優作全集』が完成した頃に、ドキュメンタリー映画を作りたいと思っていました。2~30年前はメイキング映像がほとんどなかったので、資料が少なく、とても大変でした」

――御法川修監督を起用した理由を教えてください。
「この映画の監督は、その人自身が人格として優れている人がいいと思いました。御法川監督にお願いしたのは、愛情を持って丁寧に人物を撮る方だからです。彼は30代なんですけど、優作に対して違う視点を持った新世代の感覚で、客観的に撮ってもらいたかったというのもあります。映画に登場していただいているゲストの方々についても、当時の優作と親交のあった方ではなく、優作を間接的に知る、若い世代に出演してもらうことで、回顧ではない本質的なことが聞けると思い、出演のお願いをしました」

――息子の龍平さん・翔太さんも、父・優作さんについて語っていますが、そのシーンを観た感想は?
「2人とも“役者・松田優作”のことを話しています。『そういう風に思っていたんだ…』と、逆に私が驚かされることもありました。家族で優作の話をすることもありますが、息子たちから優作について具体的な話をあまり聞いたことがなかったんです。彼らにとって、同業者でもある優作を語ることは、とても繊細な部分に触れることだったと思います。」

――美由紀さんは出演しようとは思いませんでしたか?
「当初、私が監督をするというお話もありました。でも、長編映画を撮ったことがないので、不安でしたし、全集を作ったとはいえ、映像となるとさすがにチャレンジするのは少し怖くもありました。出演をしなかった理由は、家族映画になってしまうことは避けたかったんです。私はサポートにまわることに徹しました。いわば、この映画を作るということが、私のメッセージなんです」



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