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VOICE magabon interview

No.98 満島ひかり(女優)

満島ひかり

――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
「本当に楽しかったです。茨城で2週間、撮影のために合宿をして、毎日規則正しい生活を送っていたんです。早起きしてモリモリ朝ごはんを食べて、夜は大浴場にスタッフとワイワイ入るような感じで。何も隠すことがないから、一人でストレスを溜め込みすぎてもしょうがないし、嫌なことがあったら答えを見つけるためにとことん話し合いました。どうしてもストレスが溜まったら、チャリに乗って川辺を散歩して、風にいっぱいあたって忘れたりして。多分、あの現場に行ったら、誰もが幸せになれると思います、ふふ」

――工場のおばちゃんたちなど、共演者とはいかがでしたか?
「人間力の強い方ばかりでした。色んなものを背負っているんだろうけど、それが見えないくらい、人間力がすごいんですよ。私はトゲトゲしくて荒っぽいところがあるから、そういう部分を緩和させてくれる方ばかりでした。撮影3日目くらいかな、おばちゃんたちとはじめて共にしたシーンで、パンと視野が広がったんです。撮影に入るといくらリラックスしていても、集中しすぎて視野が狭くなることもあるんですけど、それが全くなくなって。最終的には、スタッフの顔を見ながら芝居をするくらいに余裕ができました(笑)。一番リラックスできたのが、子役の相原綺羅ちゃんとのシーン。すごく相性が良くて、撮影以外でも自転車に乗って遊んだり、撮影現場近くに生えていたアセロラの木から、実をもぎって食べたり、幸福でした(笑)」

――雑誌「papyrus」で読み切り短編小説「まつげのここち」を連載中ですが、今後どんなテーマを取り上げる予定ですか?
「1回目は父親の顔が思い出せない娘の話、2回目は大切な人が死んだことを理解するためにその人の住んでいたアパートの記憶を辿る話。3回目はもう書いていて、『トノサマバッタ』ってタイトルの初恋の話です。文章を書くのは昔からすごく好きで、思い浮かんだ詩をノートにばーっと書いたりしていて。新しい作品を書く時は必ず、前の作品を読み返します。だって負けたくないじゃないですか、過去の自分に。今後も面白い文章を書きたいですし、題材はきっとココ(頭)ん中にたくさんあるはずです。書くモノが決まれば簡単なんですよ。まあ、いま4回目の締め切りが迫っているのにまだ何も書けいないんですけど、はー」

――もしも雑誌の編集長になったら、どんな雑誌を創りますか?
「汗臭い雑誌がいいです(笑)。地域の人の生活に密着して、生々しい姿を引き出す雑誌。工場フェチなので、むき出しの鉄筋コンクリートとかギトギトした電線とか、目に見える綺麗な物体の裏の姿をいっぱい載せた雑誌にしたいです。あと、部活している生徒の姿が大好きなんですよ。あれは、まさしく生命力溢れる姿だから、彼らくらいの汗臭さを出したい(笑)。子ども新聞のようなノリになるかもしれないけど、小学校の放送部や新聞部の作ったものってすごく面白いじゃないですか子供ならではの毒々しさやユーモアもあって。編集部員は地元の人たちから選んで、毎回ドタバタ乱闘し合いながら創りたいです(笑)」

――最後に、佐和子と同じように「頑張るしかない!」と思っていることは?
「私は、産まれた日から生きることを頑張っています!そして、自分自身ととことん向き合っています。『あんた、本当にそれでいいの?』って、毎日問いかけている。ちょっと嘘っぽい時もあるけど、それはそれで経験として…ねっ。できるだけ、真理を突きたい。私いま、とても恵まれた環境にいると思うんです。だからたっぷり満足しているし、だけど全然満足していない。これからも、頑張って生きていたいです」

川の底からこんにちは

川の底からこんにちは
2010年5月1日(土)より
渋谷ユーロスペースほか全国順次ロードショー



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