
magabonプレゼンツ!よくわかる洋雑誌ガイド
Written by Erin Valeretta

April 2007の表紙
手にした時の重さと、その紙の質感、そして洗練された文字の配列や写真から知的な雰囲気が漂う「MONOCLE(モノクル)」は、今年2月にロンドンから創刊されたばかりの新雑誌。既存のビジネス雑誌だけでは物足りず、より国際的なニュースや質の高い読み物を好み、ハイセンスなデザインに囲まれて世界を飛び回るビジネスマンや起業家達をターゲットにしている。
編集長であるタイラー・ブリュレは、カナダ生まれの38歳。21歳でイギリスに移住し、しばらくは英BBCのジャーナリストとして活躍した。1996年に、「90年代で最も影響力のあるライフスタイル・マガジン」と呼ばれた「Wallpaper*」を創刊。その後、2002年にWallpaper*を離れ、英ファイナンシャル・タイムズやニューヨーク・タイムズのコラムニストとして、海外を行き来しながら独自の視点で選んだ旅情報や世界のトレンドを発信していた。
そんなブリュレ氏のライフスタイルや経験を色濃く反映したMONOCLEは、5つのセクションに分けられ展開している。世界情勢をテーマにした「Affairs」、国際的な大企業から地方の中小企業までの話題を扱う「Business」、日本の携帯事情やトルコの新聞売り上げトップテンなど様々な国の文化を紹介する「Culture」、ファッション、インテリア、建築などをテーマにする「Design」、そして今買うべきワインから投資すべき街まで、“売買”をテーマにした「Edits」。ここで扱われる話題はどれも国際色豊かで知性的だ。
巻末には、親日家のブリュレ氏によって時間をかけて選ばれた漫画家・八坂考訓(やさか・たかのり)による「Kitakouga(北甲賀)」を連載。雑誌本体から切り離して読むことも出来るこちらの漫画は、MONOCLEのためだけに特別に書き下ろされたもの。台詞は全て英語だが、フォーマットは右から左へ進んでゆく日本式で、日本のマンガの読み方がわからない人の為の簡単な説明も付いている。
総合メディアを目指しているというMONOCLEのウェブサイトでは、本誌に掲載しきれなかった写真のスライドショーが楽しめるほか、インタビューやミュージックビデオの動画配信など、充実した内容を提供している。また、トップページには、一カ国以上の時間を気にしなければならない人達の為のRolex製の世界時計も付いているという気の利きようだ。
日本の中田英寿もエディター・アット・ラージという肩書きで編集に助言を与えているという「MONOCLE」。豊かな国際感覚と、質の良いジャーナリズム、そして鋭いデザイン感覚で、日本のビジネスマン達の間でも一目置かれる雑誌になることは間違いなさそうだ。