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Written by Erin Valeretta

Interview cover
No.15の表紙

今年3月に日本版が創刊され話題となった、フランス発の「MILK(ミルク)」。本国では2003年に創刊されているこの雑誌は、サブタイトルにも「LE MAGAZINE DE MODE ENFANTINE(子供のファッション雑誌)」とあるように、大人顔負けの一流ブランド子供服や、ハイセンスなインテリア、雑貨、おもちゃ、料理、旅情報などを紹介する“親が楽しめる”子供ファッション誌。育児だけでなく、ライフスタイルにもこだわりを持ち、流行にも敏感なフランス人の母親たちの間では、今や欠くことのできない存在だ。

本国版の公式サイトでは「私たちは今、使命を持った新しい親となり、美しい物に対するセンスをも発達させる真の教育を子供達に与える」と、親である読者達にメッセージが送られている。つまり、MILKで紹介されるファッションや雑貨は、小さい頃から美しいデザインに囲まれることで子供達の美的センスを磨こうとするものばかり。そしてそのどれもが、まるで写真集のように、美しいイメージとして掲載されている。

現在発売中の15号のテーマは「Mode Sauvage(ワイルドなファッション)」。カバーには鹿のような角をつけた男の子が登場し、「Metamorphose(動物の変態)」と題されたグラビアのページでは、子供達が蝶の羽やリスのしっぽを付けて大変身。シティ・ガイドのページでは、フランス北部の都市リールの雑貨店や美術館などを紹介し、「Vie De Famille(家族生活)」のページではパリ在住で2児の母であるファッションデザイナーの素晴らしいお宅を拝見。まるでインテリアショップのような可愛らしい子供部屋は、子を持つ親でなくても必見だ。

子供モード雑誌という面ばかり取り上げられるMILKだが、実は他にも注目すべき点がある。それは、フランスの少子化問題と、ファッション業界のキッズ市場への参入の関係だ。欧州諸国の中では常に高い出生率を維持していたフランスが少子化問題に直面したのは、出生率が過去最低の1.65人となった1995年。しかし、2006年にはその出生率は欧州最高水準の2.01人にまで回復している。その背景には、各種手当の導入や、出産・育児を手助けする税制の整備などの他に、グッチやディオールといった大手ファッション・ブランドがキッズ市場に参入し、MILKのような雑誌の登場がモード系ファッションを支持する女性達を刺激したことも影響していると言われている。

MILKは、流行に敏感な日本の読者を相手に、日本の少子化問題にも歯止めをかけることができるのか。その行方に期待しながら、今後を見守っていきたい。

magazine data

ジャンル:ファッション、キッズ
出版社:Milk Magazine(フランス・パリ)
刊行形態:季刊
創刊:2003年
公式ウェブサイト : http://www.milkmagazine.fr/
日本国内参考価格:約¥2,800

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